約 301,145 件
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1488.html
152 :ヤンデレ素直クール:2010/02/20(土) 22 43 39 ID 56PLRE7Q 第三話 3レス消費 明が目を覚ましたのはそれから二時間後のことだった。 窓の外は既に真っ暗だ。 場所は全く知らないどこかの和室。律の家だろうか。 明は布団をごそごそと抜け出した。暖房が効いていて暖かい。 「すいません。」 声を上げてみる。襖の向こうに誰かいる気配は無い。 とは言え、他人の家だ。勝手はできない。 「律さん、いる?」 再び声をかけると、向こうから「すぐ行く」と返事が。 階上から、階段を下りる音が聞こえる。 襖を開けたのはやはり律だった。 「起きたか。喫茶店で突然倒れるなんて驚いたぞ。」 不安そうな顔で腰を下ろす律を見ると、明はなぜか頭痛を感じた。 『そうだ。俺は喫茶店で律と話してて・・・、なんだっけ、何かあった気が。』 「うっっ・・・。ごめん、律さん。俺なんだかよく分かんないけど・・・。」 事情を尋ねようと声を上げた途端になぜか律に遮られる。 「大丈夫だ。店で何かあったわけじゃない。ただ君の体は心配だな。」 すこし強引な律に違和感を感じるが、思考がまとまらない。 「本当に?俺、ちょっと思い出せな・・・。」 「大丈夫だ。言っただろう。それより突然倒れたりして本当に大丈夫なのか?」 「私は明の体調のほうがよっぽど心配なんだが・・・。」 どうやら店のことは話したくないようだ。 思い出せない以上仕方ない、と諦めると明は笑顔で答えた。 「いや、大丈夫だよ。なんだか気分が悪くなったみたいだけど、今は全然。」 そう言うと、律もやっと安心したようだった。 「良かった・・・。」と言いながら顔を綻ばせている。 「大げさだよ。ちょっと気を失ったくらいさ。」 「何を言ってるんだ。大病なのかと本当に心配したんだぞ。」 いつもの凛とした表情でオーバーに言うので、すこし笑ってしまう。 すると、律は困ったような顔で言うのだった。 「私は明の恋人だからな。君のことを心配するのは当たり前だ。」 「うん、ありがとう。心配かけてごめんな。」 まったくだ、という律をみて明は何となく彼女をすこし理解できた気になった。 幸せ、とはこういう気分だろうか。 ※※※※ 153 :ヤンデレ素直クール:2010/02/20(土) 22 46 17 ID 56PLRE7Q その内、何かを取りに律は部屋を出て行った。 身体が心配だから動くなと明に言いつけ襖をしっかりと閉めていく。 『汚れているのだろうか、気にしないのに・・・』 そして、律の先ほどの可愛らしさと告白の時の迫力を思い出していた。 確かに律の明への態度には異常なくらい変動があるのだ。 好きだから、とかいう理由で説明がつくのか、明には分からなかった。 眠りすぎたからだろうか、さっきから思考がうまくまとまらないのだ。 ぼんやりしていると、律が戻ってきた。持ってきたのは鍋と茶碗。 来たときと同じく、襖をしっかり閉めている。 さっきと同位置に座る律の頬は、なぜか少し赤みくなっていた。 『可愛いなあ』などと思っていると、差し出されるレンゲ。 「中華粥だ。元気が出るぞ。」 そう言って律は二人の前に置いた鍋から粥を茶碗に盛り付ける。 しょうがの、食欲をそそる良い香りがしてきた。 「じゃあ、いただきます。ほら、明も。」 あまりに自然な流れで、明もつられてしまう。 「あ、うん。いただきます。」 口に含むと、ごま油の風味が広がる。 続いて海老のプリッとした食感。海鮮粥だ。 しかし、それだけではない、何か独特のコクがある。 「あ、おいしい。」 「ふふ、そうだろう。私の特製だ。」 律も心底嬉しそうな顔をする。見ているほうも満たされるような笑顔だ。 料理の上手さに脱帽しながら、食べていると明は大事なことに気付いた。 「あ、そうだ家に連絡・・・。」 なぜだろうか、完全に忘れていた。明は慌てたが、律は落ち着いている。 「もう連絡しておいたぞ。寝ている間に携帯を見させてもらった。すまない。」 「いや、俺が助けてもらったんだしいいよ。ありがとう。」 「ふふ。ご家族も心配していたからな。後で電話するといい。」 「うん。」 ※※※※ 154 :ヤンデレ素直クール:2010/02/20(土) 22 55 00 ID 56PLRE7Q 食後、明は律とくつろいでいた。 本当は食後に帰る予定だったのだが、律に引き止められたのだ。 家に電話してみると、なんだか変な声で「泊まってらっしゃい」と言われる始末。 幸い、明日は日曜日。昼のこともあるし、明は泊まっていくことにした。 「話したいことがある」と律は言っていた。 それで二人でソファに座り、テレビを見ている。 律は学校で見た事が無いような、甘えた雰囲気だった。 しなだれかかり、何かせがむような目で時おり明を見つめる。 明の緊張が最高潮に達した頃、律が切り出した。 「なあ、明。君が聞いてたことだが。」 「なんで私が明を好きになったのか知りたがっていたな?」 下から見上げるような視線で尋ねる律の表情に明の顔は熱くなった。 「うん。なんで?」 落ち着いた風を装って答える。 「それはな。この前の始業式の時だ。」 律によると始業式の日の小さな騒動がきっかけだという。 教師がペットボトルジュースを式場で見つけて、明たちのクラスを疑った。 そのとき、誰も出てこないのに痺れを切らした明が名乗り出たのだ。 教師はあからさまに明の告白を疑問視したが、それでも仕方なく明を叱った。 何とそれは律のボトルだったのだという。 式の用意が忙しく、うっかり持ってきてしまったそうだ。 片づけを手伝っていた律はその場におらず、後で事情を聞いた。 普段から素直さや自らの正しさを全うする律は、明の行動に衝撃を受けた。 なぜやってもいない罪をやったと言えるのか。 しかもずっと待たされるのが面倒だという理由だけで。 律は石堂明という人間を不思議に思うと同時に心惹かれた。 「もしかしたら、君の打算の無さに惹かれたのかもしれない。」 「私を捨てた両親は打算しかない人間だったし。私は人間不信なんだ。」 「クラスメート達もそうだ。みんな浅い計算で動いてる。」 「でも、君だけは。君だけは違うと、そう思えたんだ。」 話し終えると律は明にキスをせがんだ。 「明・・・キス、してほしい。」 キスをする間も、律はうわごとのように呟き続けた。 「・・・はぁ、・・・君を、ンム、石堂明を愛したい。」 「生きていて、ンン、はじめて、チュッ・・・なんだ。」 どんどんキスは深くなっていく。 「・・・つっ・・・はぁ・・・抱いて、くれ。明・・・。」 そう言いながら律は明の首筋に甘噛みする。 ぐるぐると回る思考のなかで、明はそんな律を抱き寄せた。 気がつけば二人とも裸になってしまっている。 律が明の全身に噛み付くようなキスをしてくる。首筋から出血。 あまり豊かではない胸をギリギリと押し付けてくる。 全身をこすりつけ、噛みつき、爪をたて、体液をなすりあった。 やがて律が凄絶に身体を震わせて気絶するのを見た直後、明も意識を飛ばした。 ※※※※
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/44.html
夜、ニビル市。さほど大きな都市でもないが、明かりは多い。 「ふう……、今日の予定は、これで終了かな?」 そのひとつ、中心部にほど近いオフィスビルの一室に、壮年の男と若い女性がいた。 「はい、社長。御苦労様です」 トライデント社は、主に競技用ゾイドのパーツ・装備のライセンス生産を行っている。ニカイドス唯一の、直接的にゾイドバトルと関わりを持つ企業といえる。 「どうだね、これから一杯」 社長と呼ばれた壮年の男が、グラスを傾ける仕草をする。 「……社長、私は未成年です。……一応」 「はっは、そういうことになっていたか」 女性の突っ込みにも、気を害した風でもなく、穏やかに笑う。 フレッド・スターン。トライデントの社長であり、女性……ソナタの、現在の保護者である。 「でも、社長には感謝しています」 「何だね、いきなり」 「身寄りの無い私を育ててくださって、こうして秘書のお仕事まで……」 ソナタは、フレッドが12年前に偶然保護した、いわゆるストリートチルドレンだった。当初はフレッドの申し出を断っていたのだが、フレッドの強引かつ粘り強い説得により折れ、今に至る。 「……本音を言えば、他の子供達も引き取ってやりたかったんだが……。まだ私には、それだけの余裕はなかった」 「いえ、ご立派なお考えだと思います」 「はは、そう言ってくれると嬉しいね」 当のソナタも、今の生活には不満を感じていない。どころか、幸せであるとすら感じていた。 (……これで、私の背負う『さだめ』が無ければ) 「何か言ったかね?」 「あ、いいえ。何でもありません」 朴訥そうに見えて、フレッドは時々鋭い。今は考えまいと、ソナタは思う。 「……しかし、最近は物騒なニュースが多いな」 端末にニュースを表示させ、フレッドはため息を吐いた。 「大丈夫ですよ。ニカイドスは田舎ですし」 「……まあ、ね」 ソナタの若干ずれた返答に、一応フレッドも同意する。 「さて、私は格納庫をチェックしてくるから、君は先に外で待っていてくれ」 「わかりました」 星を眺めながら、ソナタはこれまでの自分の人生を振り返る。 この地に生まれ、特殊な血を引いているがゆえの、逃れ得ぬ『さだめ』。 守らなければならない秘密。 呪われた島の真実。 これらに縛られた自分を救ってくれたのは、間違いなくフレッドだった。 だからこそ、彼にその秘密を打ち明けるのは躊躇われた。 と、 (……何?) 不意に、違和感を覚えた。自分の中の、何かが騒いでいる。 振り返る。そこに、夜の闇にあってなお黒い髪の、少女がいた。 「あなたは……?」 反射的に、ソナタは少女に話しかけていた。そうせねばならないという、強迫観念じみたものが、ソナタの中にある。 小さな身体を覆う、旅塵にまみれた外套。無造作に、短めに切られた黒髪。そして真紅の瞳。 そんな外見の少女は、常軌を逸した怜悧な表情で、ソナタを見据える。 「……近く、大きな事件が起こる。あなたもそれに巻き込まれる」 少女の口から発せられた言葉は、聞いただけでは質の悪い占いか何かの類にしか聞こえない。しかし、少女の限りなく怜悧な目が、彼女の発するプレッシャーが、ソナタにその言葉を信じさせていた。 「それまでに、何かしろとは言わない。でも覚えておいて。諦めては駄目。必ず生きて。生きようとして」 それだけ言うと、少女は踵を返す。 「あ、ちょっと待って! あなたは一体……!」 ソナタの問いに、少女は一瞬だけ、逡巡するような仕草を見せた。そして肩越しに振り返り、言う。 「アルフィ・レジェッタ」 役者は揃い、舞台の幕が上がる。 ZAC2312年。かつて黒髪の少女の母が見た未来まで、あと二週間。
https://w.atwiki.jp/trpgken/pages/1755.html
【Trailer】 彼らは石に手を伸ばすだろう。 それが『願い/欲望』を叶えるならば。 それは彼らを導くだろう。 その行く先がわからなくとも。 ダブルクロスThe 3rd edition "願い/欲望を以って我と為せ" 第三話 『進化の果て』 ――袋小路か、あるいはそれとも。 ハンドアウト 一文字一基用ハンドアウト ロイス:『青い石』 推奨感情:P有為/N不安 『青い石』の適合実験が、行われた。 あの石の力が久遠市の現状を解決する為に必要で、 誰がどんな風に適合できるかわからない以上、望む者には手を伸ばさせなければならない。 そこで、君は――。 綺羅崎 京華用ハンドアウト ロイス:マスターハイブ 推奨感情:P興味/N敵愾心 『青い石』への適合実験があった、その日の夜。 君は、遺跡の”彼ら”と同じ特性を持つオーヴァードたちと遭遇した。 プランナーの言葉を思い出す――彼らは、”マスターハイブ”とやらの研究成果なのだろうか。 遥用ハンドアウト ロイス:マスターハイブ 推奨感情:P有為/N無関心 『青い石』への適合を試みた、その日の夜。 君を訪ねる者があった。そいつは名乗る――マスターハイブ、と。 江東 和彦用ハンドアウト ロイス:桜花絢爛 推奨感情:P信頼/N隔意 ある夜の話だ。桜花絢爛が君に問うた。 「君は、あの石をどうするの?」 即ち――石に手を伸ばすのか、否か。 砺茶 希空用ハンドアウト ロイス:『青い石』 推奨感情:P興味/N無関心 君は、『青い石』に手を伸ばされるのをただ観測していた。 自分が手にしても、特に何も変わらない――そう、思っているのだが。 『青い石』がもたらす力を見た時、まだそう思い続けていられるだろうか。 【伝言板】 全体的にふわっとしてるのは、誰が『青い石』に適合するかわからないからです -- kinosi (2016-02-08 13 38 03) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/novel_wiki/pages/17.html
第三話 「裁判長、四回目の犯行によって盗まれた、被害者のバッグを証拠品として提出します」 信はビニール袋に包まれた金色のハンドバッグを取り出した。 裁判長はバッグを眺めた。 「左記玖目検事、このハンドバッグの中には何が?」 裁判長はゆっくりと聞いた。 すると、信はにやりと笑った。 「現金約五十万円と、被害者のキャッシュカード、革の財布が入っていました」 創他は目を見開いて驚いた。 「ご、五十万円っ!」 信はまたもやにやりと笑った。 「子供には想像できない金額。だからこそ被告人は盗んだのだろう」 確かに美香は十八歳。子供のようなものなのかもしれない。 創他はまずいと感じ、異議を申し立てた。 「さっきも言ったように、被告人がやったという決定的な証拠を提示することを検察側に……」 創他は途中で言葉を止めた。 信が睨みつけてきたからだ。 「物事には、順序というものがある。わかるかね、弁護人?」 信はそれだけ言うと、机を叩いた。 「それでは生意気な弁護人にクエスチョン。革に指紋は残るかね?」 創他は慌てた。 いきなり言われると、舌がもつれるからだ。 「の、残るんじゃないんですか?」 美香ははっと目を見張った。 どうやら知らなかったらしい。 信は再びにやけた。 「ご名答。このハンドバッグには、被告人の指紋が残っているッ!」 裁判長はほう、と頷いた。 「決定的だな。さすが、左記玖目検事」 信は頭を下げて、礼を言った。 「それでは、裁判長。そろそろ判決の方を」 裁判長は頷いた。 美香が被告席でよろめいた。 「ま、待った・・・!」 創他はやっとのことで言った。 美香はまたもや目を見張った。 「弁護人、話なら判決の後にしろ」 信はそう言って、大きなため息をついた。 創他はお守りを内ポケットにしまい、息を吸ってから言った。 「指紋なんて、少しついていたって目撃者がいない以上・・・」 創他はまた途中で言葉を止めた。 信がさっきより鋭く睨んできたからだ。 「私がいつ、目撃者がいないと言った!」 裁判長はふふっと笑った。 「左記玖目検事、それなら目撃者を召還するのだ」 信は返事をし、謝った。 「それでは、少し休憩をください」 創他は掠れ声で休憩を促した。 裁判長は頷いた。 「よし、十分間の休憩をとる。弁護側、検察側は準備を整えておくように!」 創他はそれを聞き、安堵の声をあげた。 「目撃者・・・、神谷さん、覚えあります?」 創他は青いソファに座って、美香に聞いた。 美香は少し考え込んだ。 「いきなり言われましても・・・あ、もしかしたら粒香さんが・・・」 創他はガバッと体を上げた。 「だ、誰ですか、リュウカさんって!」 美香は驚いて、おずおずと言った。 「架宮粒香(かみや りゅうか)さんといって、私の知人です」 架宮粒香。創他は手をアゴに当てた。 カミヤ。美香と性の読み方が一緒だ。 「神谷さん、その粒香さんと性の読みが一緒なんですね」 美香は頷いた。 「そうなんです。すごいですよね! やっぱり隆吾くんと会ったのもウンメイだったのかも・・・」 創他は首を傾げた。 今、新しい名前が出てきた――。 「そのリュウゴくん、っていうのは誰ですか?」 創他が尋ねると、美香は顔を曇らせた。 どうしただろう、と思い、近づくといきなり美香はしゃべり出した。 「架宮隆吾(かみや りゅうご)くんは、粒香さんの弟で、私の恋人だったんです」 創他はまたもやほころびを見つけた。 恋人『だった』? 今は違うのだろうか・・・。 創他がそのことを尋ねようとすると、係官がこちらに向かってきた。 「休憩時間は終了しました。弁護人、被告人はすみやかに入廷しなさい!」 創他はため息をついて、渋々と入廷した――。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/467.html
チリ車の俺 第三話「オールイン」 ―――アフリカ、第31統合戦闘飛行隊基地外周 ドォンドォンドォンドォン!!・・・パラパラパラ 稜線に伏せた俺の目の前の地面が爆ぜて頭上から砂が降り注ぐ。 ピピ―――ッ!! マイルズ「フォーワード!!」 ホイッスルの音と同時に匍匐していたウィッチ達が立ち上がり駆け出す。 ガキン!キュラキュラキュラキュラキュラキュラ 陸戦ストライカーの履帯を展開して砂丘を走行して下る。 ドォンドォンドォン!! さらに俺の周囲に着弾。 俺「うわっ!っぶねー!!」 驚いて速度を落とす。 マイルズ「コラー!!怯むな、俺中尉!止まったら当たるわよ!」 俺「ええい、こんちくしょう!」 ザザ―――ッ パトリシア「ムーブムーブムーブ!!」 アビゲイル「イェーハァ!!」 パットンガールズ達が砂塵を残して斜面を先行する。 北野「待ってください~、俺中尉~!」 俺「こっちだ!急げ!」 北野「は、はい~」 (チハ車のSA一二二〇〇VD魔道エンジンじゃ150呪力が限界だ。 こんな地形じゃ厳しいな・・・ これも後で報告書にまとめておくか) マリリン「インカミーン!!」 俺「伏せろ!」 ガバッ 咄嗟に古子に覆いかぶさって地面に伏せさせる。 ドォンドォンドォン!! またも至近弾で砂が舞い上がる。 またもまき上げられた砂が落ちてくる上に砂塵となって視界を奪った。 俺「近っ! 何考えてんだ、あいつらー! 当たっちまうぞ・・・ ほら行くぞ、北野軍そ―――」 なんとか古子を掴んで立ち上がらせようとしたとき、 ふにっ 俺「えっ?」 ふにふに なにか柔らかい物に指が触れた。 砂塵が濛々と舞っていて良く見えない。 (なんだこれ?) ふにふにふに 北野「んあっ・・・お、俺中尉さん・・・・そこはっ、んっ・・・///」 砂煙が晴れると、俺の手がしっかりと古子の控えめながら形のよい胸を捉えているのが見てとれた。 つまり、視界が晴れるまでの数十秒間おもいっきり乳を揉んでいたということになる。 慌てて手をどけて弁解する俺。 北野「お、俺中尉さん何するんですかっ・・・」 俺「あっ、いやこ、ここここれはその間違いでっ」 北野「あ、あはははは、そうですよね。びっくりしちゃいましたよー」 古子も顔を真赤にして乾いた笑いで応じた。 明らかにドン引きしている。 スパーン! マイルズ「真面目にやりなさい!」 強烈な張り手が後頭部にヒットした。 俺「はいスミマセン、マイルズ少佐殿」 現在第31統合戦闘飛行隊『アフリカ』陸戦隊は空地直接協同作戦、エアランドバトルの為に訓練中である。 カールスラントの「韋駄天ハインツ」ことグデーリアン将軍が推し進めた電撃戦を基にした戦闘教義だ。 的確な航空支援の元、地上部隊がその機動力を最大限に発揮し敵戦線を食い破る。 特に広大な戦場で戦うことになる砂漠戦では機動力が肝だ。 そのため、現在アフリカ戦線では空陸両ウィッチによる連携作戦が推し進められていた。 最終的な目標、スフィンクス作戦―――つまりスエズ運河の解放―――を達成するためには不可欠だろう。 マイルズ「もう一度やり直しよ。 今度は躍進800m、一気に砂丘を駆け上がるわ。 全員砂地でフットボール出来るまで訓練よ!」 マイルズ《上空の航空隊、聞こえる?》 加東《良好よ》 マイルズ《もっと近くにお願い。 出来るわね?》 加東《了解》 マイルズ「さぁもう一度行くわよ。 全員駆け足で麓まで下りなさい」 全員「イェス、メイジャー!」 ――――――――― ―――――― ――― モンティ「まだまだ、だな・・・」 モントゴメリーが双眼鏡を下ろしつつそう呟く。 訓練が行われている砂丘地帯から程遠くないまた一つの砂丘に砂漠の三将軍が佇んでいた。 もちろん目的は訓練の視察である。 パットン「まだ始めたばかりだ、仕方ないだろうが」 ロンメル「我がカールスラントの魔女達は既に戦闘教義段階から講習済みだ。 いつ実戦でも問題はない」 パットン「抜かせ。あの馬鹿でかいタイガーが付いてこれる訳ねぇだろ」 ロンメル「・・・ティーガーについては本国で新型歩行脚が試作中だ。 直にこっちにも回ってくる」 モンティ「・・・仕方あるまい。 それでは我らが新司令官殿をお出迎えに向かうとするかね、諸君?」 パットン「ああ、行くか」 丁度本日が件の「タスクフォース」指揮官に就任するシェパードの着任日である。 そして三人は駐車してあったキューベルワーゲンに乗り込んで走り去った。 ―――滑走路 パットン「それで、奴さんはまだか」 モンティ「すでにレーダーが補足した、じきに着くだろう」 パットン「ふん、何がタスクフォースだ。 急にやってきて指揮権を持ってくなんてアイクは何を考えてやがる」 ロンメル「なに、君の同国人だろう。せいぜい仲良くし給え」 パットン「ヤなこった」 モンティ「全く君らしいな」 パットン「結構!ズカズカと儂らのテリトリーに踏み込んできて勝手に全部持っていく輩など信用できるか!」 ロンメル「まあ、その点については我輩も同感と言わざるをえないな」 モンティ「私だって出来れば避けたい話ではあるが・・・連合軍総司令部からの意向では仕方が無いだろう?」 パットン「むぅ・・・」 そう押し黙ると懐から葉巻を取り出して愛用のジッポーで火をつけた。 モンティ「相変わらずシガーにオイルライター等と・・・これだからリベリアンは・・・」 パットン「黙っとれ」 ―――同時刻、アフリカ基地上空C-47スカイトレイン機内 輸送機内のベンチシートに一人の初老の男が腰掛けている。 厳しく締まった口元に蓄えられた髭も、陸軍のシンボルである黒いベレーからわずかに覗く髪も白い。 肩の特殊戦スクールインシグニアと帽子の三ツ星が彼の地位を物語る。 ガッチリとした長身に野戦服を纏い、脇に吊り下げたショルダーホルスターには愛用の.44口径リボルバーが収まっている。 シェパード「4年前、私は瞬きの間に三万もの兵を失った。 だが世界はそれをただ傍観するだけだった―――」 誰にともなく、低く太い声でシェパードがつぶやいた。 「SHEPHERD」のネームタグが付いた胸ポケットから葉巻を取り出し、吸口をナイフで切り落としてマッチで着火して咥えた。 シェパード「そして、世界最強の軍事国家たる我々リベリオンは戦う意志を失った―――」 マッチの火を消すと、それを機内の床に放り投げた。 シェパード「しかし・・・この計画が成功すれば我々は再び立ち上がる」 ゆっくりと硬い座席の背もたれに体を委ね、つぶやいた。 シェパード「歴史は勝者によって記される―――」 操縦士「閣下、まもなく到着です」 シェパード「分かった」 確認するとシェパードは目を閉じた。 そして『ゴールドイーグル』はアフリカの地に舞い降りた。 ―――第31統合戦闘航空団作戦司令部 シェパード「・・・諸君、私がシェパード大将―――いや、今は元帥だ。 現点を以て在アフリカ全兵力を私が総括指揮することになる。 第31統合戦闘飛行隊も私直轄のタスクフォース141として再編成されることになる。 その過程で諸君らも私の指揮下に編属してもらうことになった。 何か質問はあるかね?」 司令部、と言ってもただの天幕だが―――の前方にシェパードが立っている。 毅然と背筋を伸ばし、強くしかしゆっくりと三将軍に尋ねた。 そしてそれに答えた手が上げられる。 モンティ「理由は? 何故貴官がこのタスクフォースの指揮官に?」 シェパード「良い質問だ。 私が創設した特殊戦センターでは日夜新しい戦術の研究が行われている。 私が此処に来たのは、それをこの戦場にフィードバックするためだ。 そしてなにより、私は諸君らの誰よりも長く戦っている、それだけだ。 他には? ロンメル「当面の作戦方針はどうなるのかね?」 シェパード「現在のスフィンクス作戦発動までの下準備を継続する。 以降はタスクフォース単位による特殊作戦を展開する」 パットン「なんだ、その特殊作戦ってぇのは?」 シェパード「現時点では機密事項だ。 諸君らが知る必要はない」 パットン「そりゃどういう風の吹き回しだ?!」 シェパード「落ち着きたまえ、中将。 ニード・トゥ・ノウの原則だ。 『今』、『ここで』、『君が』知る必要のない情報だ」 パットン「ふん・・・」 モンティ「具体的に我々はどうなるのかね?」 シェパード「今まで通り通常部隊の指揮を担当してもらう。 主に戦線の維持と防衛だ。 だがタスクフォースに編入する一部戦力と全ウィッチ隊は私の直接指揮下に置く。」 パットン「美味しいところは自分が持って行くってことか?」 シェパード「好きなように捉えてもらって構わん。 私はこの戦争に勝つために来た。 その為には『いかなる』犠牲も厭わん。 覚えておけ」 ――――――――― ―――――― ――― 次回予告 アフリカに来てから訓練漬けで嫌になりそうな日々。 そんな時に久々の非番日が回ってくる。 マイルズ「ちょっと付き合いなさいよ」 お決まりの台詞でマイルズの買い物に付き合わされる俺。 ということは俺SSシリーズお約束のお買い物回だ! あんなトラブルやこんなハプニング、そしてもちろんチンピラに絡まれるのもお約束。 そしてマイルズにライバル出現? なんと俺が市場で運命の出会いを果たしてしまう! まさかの√変更か?! 次回 チリ車の俺第四話「嗚呼愛しの豹娘」 乞うご期待 - -
https://w.atwiki.jp/animeyoutube/pages/1208.html
ばか - 名無しさん 2010-09-19 18 11 05 ばか - 名無しさん 2010-09-19 18 11 37 いい - 名無しさん 2010-10-03 10 17 02
https://w.atwiki.jp/animeyoutube/pages/1212.html
ガチで、風早やばい!!かっけぇーよぉ☆ - リクオ 2010-09-20 21 46 53 風早カッコイイ!! 龍もカッコイイ!!2人共大好き!! - トモチン 2010-12-29 17 52 41 誰?あのおっさん!! キモっ!! - トモチン 2010-12-29 17 58 42 爽やかでいいですね!なんか羨ましいです。 - こはれな 2011-01-06 15 40 13 見れないんですけど、、、管理人upしてください。お願いいます。見たいです。 - 麻里ちゃん 2011-01-09 15 42 10 ちいさいオジサンかわいい★ - あっちゃん 2011-03-29 17 12 54
https://w.atwiki.jp/animeyoutube/pages/1254.html
すごい - 名無しさん 2010-11-12 16 12 20 クリーム色の髪の毛の子カワイイ♥ - みるくてぇぁ 2011-01-27 19 13 01 爽子大好き - 46猫 2011-03-20 23 34 35 なぜか見れません。 - 名無しさん 2011-06-04 13 41 15
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/1174.html
超機動戦記ローゼンガンダム 第三話 アリスの支配 「ピチカート起動!メイメイ照準!てぇーーー!!」 サクラダに迫り来るミサイルをレーザーが打ち落とし間髪要れずに6連装のミサイルが発射される。 未だに続く戦闘。背後の敵は翠星石と蒼星石が殲滅したものの、数に勝るアリス軍との戦闘は続いていた。 「っ・・・しつこい!」 白を基調にされたキラキショウがバーズにライフルを放つ。放たれた銃弾は頭部を撃ち抜くが撃墜には 至っていない。人工知能の詰まれたバーズにとって頭部などは飾りでしかない。至る所に装備されている センサーやカメラがある限りバーズは動き続ける。 バーズはセンサーで敵機を察知するビームライフルとマシンガンと二つ装備されている銃器のうち マシンガンを選択するとキラキショウへ銃口を向け連射する。パラララララと小刻みな音と共に弾が排出される。 キラキショウは回避運動をするが、いかんせんばら撒かれる大量の弾の前に完全な回避はできていない。 たいしたダメージではないが、右脚部の装甲が削り取られる。 「しまった!?隊長機め・・・作戦を変えてきたか・・・」 雪華綺晶の言うとおりだった。さきほどまでは、威力は高いが直線で目視の効くビームライフルがバーズの 兵装だった。しかし、挟撃に失敗するや否やマシンガンでとにかく当てにきている。 「ちょっとぉ、さすがにコレを完全にかわすのは無理じゃないのぉ~?」 迫り来る無数の弾丸を背部の翼を展開させて防ぐスイギントウ。ダメージはないが、エネルギーの消耗が 大きいのが問題だ。 「きゃぁ!?うゅ・・・痛いの~。」 懸命に回避をしてはいるものの、雨のようにふる弾丸を腹部にうけるヒナイチゴ。貫通には至っていないが コクピットが近いせいか衝撃も大きい。 「早く・・・早く隊長機を探さないと・・・」 弾丸を回避しながらバラスイショウがサーベルで1機を叩き落す。間髪入れずに左腕に武装されている ビームガトリングガンが火を吹く。機体全体的に穴だらけにされたバーズはそのまま爆散する。 「・・・!分かったかしら!人工知能に命令を与えてる機体!真紅!あなたの右手の機体かしら!」 金糸雀が通信越しに叫ぶ。カナリアの機能は音を鳴らすだけではない。隊長機が人工知能機に 命令を飛ばす際の電波すら感知する事ができる。 「上出来よ、金糸雀。私に任せるのだわ。」 真紅が金糸雀に言われた機体にサーベルを抜き向かっていく。それを察知した機体はライフルを放つ。 真紅はそれを左に回避し、そのまま切りつける。 「見つけた・・・あなたが隊長機ね?今隊長機以外はライフルは使わないはずなのだわ。」 ブオンと音を立てて右腕がサーベルを振り下ろす。しかし、敵機はそれを回避すると同じようにサーベルを 抜き切りかかってくる。真紅もそれに反応し切り結ぶ。 「ふん・・・その程度か・・・」 敵機からの声が真紅の耳に伝わってくる。 「大きなことを言うのね。でも、あなたは勝てないわ。」 若干後方に下がり左腕でツインテールを振り回すシンク。自由自在に動き回る鞭はバーズに襲い掛かる ものの、被弾には至らない。 「くっ・・・なかなかやるのだわ。」 「この程度でか?笑わせるな・・・高尚なアリスの支配を受け入れられぬ劣等種が私に勝つなど!」 隊長はツインテールをかわしながら今度をマシンガンに持ち替えシンクに向け連射する。 大量の弾をばら撒かれれば完全回避は難しい距離。シンクは回避しきれずに右肩と左脚部に被弾する。 「アリスの支配ですって・・・?」 「そうだ、アリスの支配だ。素晴らしいぞ、アリスは!アリスの言うとおりにすれば全て上手くいくのだ。 アリスの計算に狂いなどはない!私は失敗しないのだ!」 隊長が右に旋回しながらマシンガンを放つ。シンクもそれを追うように右に旋回しながら回避する。 「でも・・・そこに貴方の意思は存在しないのだわ。それでは生きてるなんて言わない!」 機動力では勝るシンクは旋回を続けるバーズに徐々に接近していく。 「黙れ小娘!全てアリスの計算どおりに進む世界・・・その素晴らしさが分からぬから劣等種なのだ! 全てはアリスの御心のままに!」 「っ・・・貴方は・・・何故そこまで!?」 シンクがサーベルを抜きバーズを急襲する。バーズはシンクに向かって弾を連射する。 シンクはそれを意に介さず左腕の破損を覚悟で左腕を盾にし、突貫する。そしてサーベルが突き出される。 「ぬあ・・・私が死んでも家族にはまた新しい父が与えられ何もないような生活が進む・・・ 素晴らしいぞ・・・アリスは・・・ジーク・・・アリス・・・」 コクピットを貫いたシンクのサーベル。それと共に人工知能機は動きが止まる。 「真紅!防衛は成功だ。旗艦するんだ。」 通信からJUMの嬉しそうな声が聞こえる。しかし、真紅はどこか浮かない顔を浮かべていた。 「あらぁ~?真紅、やったじゃなぁい。まぁ、私なら損傷なしで倒したと思うけおどぉ~。」 真紅が艦に戻り、機体から降りると水銀燈が絡んできた。しかし、真紅はそれを聞き流して部屋へ戻っていく。 「・・・真紅・・・」 そんな姿を心配そうに見つめるのは蒼星石だった。 「真紅ったらまた凹んでやがるですか?ま~ったく、いつまでたってもあんな感じですぅ。」 「そんな事言うものじゃないよ、翠星石。真紅は・・・隊長機を撃ったんだから。」 翠星石に向かって雪華綺晶が言う。それにつられて薔薇水晶も言った。 「真紅は・・・いつも人を撃つとああだもんね・・・」 「うゆ・・・でもいつもより落ち込んでる気がするの・・・心配なの~。」 雛苺が真紅を見つめながら心配そうにする。 (うう・・・カナは会話聞いちゃったかしら・・でも・・・言うべきか言わないべきか・・・困ったかしら。) 一方、真紅の異変の原因を握っている金糸雀。しかし、彼女はこれを他の面々に言うべきか迷っていた。 「は~い、みんなご苦労様~。今日は、花丸ハンバーグでーーーす!」 戦闘の処理もすみ、落ち着いた面々は食堂に向かう。JUMの姉であるのりが切り盛りする食堂で その食事はクルーに非常に評判が高い。 「わぁ~、はっなまるはっなまる~♪」 雛苺がご機嫌そうにハンバーグを食べる。 「あらぁ~?雛ちゃん、真紅ちゃんはどうしたのかな?」 「うぃ・・・真紅はお部屋なの・・・」 「真紅はまた部屋で凹んでやがるですぅ。ま~ったく、いつまでたっても有人機に慣れねぇですから。」 翠星石が御飯を口に運びながらあっけからんと言う。しかし、それにのりが反応を示す。 「だ、ダメー!!」 その大声の食堂中の目がのりに集まる。 「そんなのダメ!いくら・・・いくら戦争だからって・・・人を撃って喜んじゃ・・・めっめっようぅ。」 のりが翠星石を諭すように言う。これには翠星石も少しシュンとなり 「失言ですぅ・・・ごめんなさいです・・・」 と素直に反省する。そんなやり取りの中、放送が入る。 「召集です。MSパイロットはミーティングルームに集まってください。繰り返します・・・」 「すまないな、みんな。さっき他のレジスタンスから暗号文が届いた。柏葉。」 「はい。レジスタンス『SAIYA』からです。まぁ、纏めるとリュウキュウに集まって一緒に攻撃しようという事です。」 JUMは暗号文を読めといったのだろうが、巴は意訳する。まぁ、文面はそうだから問題ないのだが。 「SAIYAでリュウキュウか・・・どこに攻め込むんだろう。」 蒼星石がうーんと考える。 「近場だとヨコハマ基地ですかね?アリスは日本はあまり重要視してないみてぇですから。」 「いいんじゃなぁい?私たちの故郷を奪回するなら文句ないわよぉ?」 「もしかしたら日本にみっちゃんが逃げてるかもしれないかしらー。」 と様々な声があがる。どれもが賛成を促すものだった。 「分かった。じゃあ、補給が済み次第メイデンはリュウキュウでSAIYAと合流する。いいな?」 JUMが面々を見渡し確認する。誰もがOKと言った感じだ。 「じゃあ会議は終わりね?私はまだ休んでおくのだわ・・・」 すると早々に真紅が部屋に戻っていく。そんな真紅にクルーは不安を隠せない。 「真紅の奴・・・今回はいつもより・・・」 「う・・・み、みんなに聞いて欲しいかしら!じ、実は・・・」 心配するJUMを遮るように声をあげる金糸雀。金糸雀は全てを話した。そう、真紅と隊長の会話を・・・ 「サクラダ発進します。目的地はリュウキュウ。」 会議から数時間後、巴の声が流れる。真紅は未だに部屋に篭ったままだった。 「・・・アリスの支配・・・私は・・・」 「真紅?いるか?入るぞ?」 と、ドアをノックする音と共にJUMの声がする。 「JUM?ええ、入っていいのだわ。」 とりあえず鏡で身支度チェックをしてからJUMを招き入れる真紅。 「あら、艦長がこんなトコに来ていいのかしら?」 「ま、移動だけだしな・・・金糸雀から聞いたよ。お前と・・・あの隊長機の会話。」 JUMの言葉に真紅がビクッとする。 「そう・・・私は・・・戦いとは言え、また殺してしまったのだわ・・・」 真紅がボソボソという。その表情は暗い。 「ああ・・・戦争だからな。でもさ・・僕やっぱりアリスは間違ってると思うんだ。」 「・・・・・・・・」 JUMの言葉に真紅は答えない。さらにJUMは続ける。 「最後にさ・・あいつ自分の代わりに新しい父親が派遣されてまた変わらない生活になるって言ったよな。 やっぱりそれってオカシイよ。感情まで支配されて、大切な人が居なくなったのに変わらないだなんて・・・ そりゃあ・・・殺した僕らが言える事じゃないけどさ・・・」 真紅はJUMの言葉を聞き続ける。 「なぁ、真紅。僕らが戦わないとこの世界はその感情のない世界になっちゃうんだ・・・機械的で冷たくて・・・ それはとても悲しい事じゃないかな・・・」 JUMは真紅の隣に来るとその美しい金色の髪を撫でる。普段は髪を触られるのは嫌いな彼女だが 今は大人しくしている。というか・・・JUMだけは別だった。 「真紅、外・・・見てみなよ。僕らは奪いもしたけど・・・でもこれだけの笑顔を守ったんだよ。」 JUMに言われるままに真紅は外をみる。そして、目を見開いた。そこにはメイデンが防衛した街の人々が 声援を送っていた。プラカードにはどれも『ありがとう』とかかれている。 「・・・これは・・・」 「真紅、君の苦悩は分かるよ。でも、その罪はみんなで分かち合おう。一人で抱えちゃいけない。 そして・・・この笑顔も分かち合おう。僕たちは・・・メイデンだろ?」 JUMが言う。真紅は相変わらず窓の外を見ている。鏡越しに写る真紅ははっきりは見えないが 目尻に汗がたまってるように見えた。 「JUM・・・食堂にいくわよ。お腹がすいたのだわ。ダッシュで行ってのりにW花丸ハンバーグを作らせなさい。」 するとJUMはハハッと笑って食堂に向かっていった。それを追うように真紅はもう一度外をみて 目を拭うと食堂へ向かっていくのだった。 次回予告 べジータをリーダーとする反アリス組織の一つ「SAIYA」と合流したメイデン。 べジータが蒼星石にハァハァする場面はあるものの次の攻撃目標が伝えられる。果たして次の戦場は・・・ 次回超機動戦記ローゼンガンダム 第四話 共同戦線 その力 見せ付けろ蒼星石!
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/42.html
東方黄金体験記 第三話 永遠亭にようこそっ! 中編 ジョルノと永琳と会話している頃。客間から大分離れての事… 「退屈よー退屈なのよー退屈なんだってばよ~」 長い黒髪をなびかせて、ではなくだらしなく地面に垂らしつつ、 ゴロゴロと寝転びながらぼやく。彼女こそ永遠亭に住んでいる、かの有名な輝夜姫の逸話の元になった 月の姫。蓬莱山輝夜のはずなのだが、そのだらしない様は昔話のような神秘的なものは一切感じられない。 カリスマ?なにそれおいしいの。 「まったくえーりんったらどこにいるのよ~。あ~もうお腹もすいたし。でも変ねぇ。 誰も迎えに来ないのは何でかしら。」 誰かお客でも来てるのかしら。面倒ねえ… 仕方なく行くと決めると地面を掃除するかのように、輝夜は地面をゴロゴロとしながら客間に向かって行った。 月の姫と言うより怠慢姫と改名すべきであろう。 客間に向かうローリング中の事で。なにやらうどんげがこっちにZUNZUNと向かってきており その手にはてゐがガッシリと掴まれて引きずられている。涙目でこっちを見つめているが、例によって無視。いつもの事いつもの事。 「おかえりてゐ。どこ行ってたのよ。」 「姫!助けてぇ!このままじゃお通じが「あ、姫。この子ッたらカクカクシカジカで。 ほら!アンタこれ口に嵌めなさい。こら動くな!」 「ん゛ー!ん゛ー!」 うどんげアンタ口枷なんてどこから出したのよ。 「何時も通りって事ね。いいわ。大体予想付くから。今からおしおき?」 「ハイ。そうです。何時も通りなので姫様は客間のほうへ向かってください。お客様が来ていますから。 それとローリングじゃなくて立って歩いてくださいよ。いくらなんでもだらしなさ過ぎます。」 むう…面倒だけどこの子の言う通り。立ち上がって体に付いたホコリを叩いて落とす。 「わかったわよ~。うどんげも楽しんでらっしゃい。それとてゐ。強く生きるのよ~ まあこの調子じゃ括約筋は弱くなりそうだけど。ご飯もその内持っていくわ。」 「ハイ姫様。後で~」 「ん゛ん゛ー!む゛う゛ーー!!」 何時も通りでの事。平和が何より。 で、付いてみれば。えーりんと来客らしき男は案外楽しそうに会話してるじゃない。 邪魔はしないほうがいいのかしら。でも挨拶はしなきゃいけないわね。 「あら?姫。いらしていたんですか。」 「いるも何もここは私の家でしょうに。それにえーりんったら時計見なさいよ。 もう夕食の時間よ。今日は私が作るんだから。冷めない内に食べて欲しいから早く来なさい。」 「姫。お客様がいる前で失礼ですよ。ちゃんと挨拶をしないと駄目です。」 「いえ、お気使いなく。こちらこそ申し遅れました。ジョルノ・ジョバーナと申します。 今日は永琳様のご好意に預かり泊めて頂く事になったのですが、夕飯の支度なら僕も手伝いますよ。」 面白い髪型だけど以外に礼儀は正しいのね。しかし男の来客とは珍しい。 「あら、ありがとう。私は蓬莱山輝夜。輝夜でいいわ。じゃああなたの分も作らなきゃね。 手伝いはしなくていいわ。代わりに食事が終わったら食器洗いを手伝って頂戴。」 「分かりました。永琳様もいらっしゃいますか?」 「モチロンですわ。私もお手伝いさせて頂きます。」 25分後。食卓にて 食卓では三人がテーブルを挟んで座っており テーブルの上にはミソ汁や白米。その他山菜や魚などのオーソドックスな日本食が 並んでおり、永琳や輝夜にとってはいつもの。そしてジョルノにとっては新鮮な食事だった。 「それじゃ、みんなで頂きますしましょうか。うどんげとてゐいないけど。」 「はい、それじゃジョルノ君もね。」 「「「頂きます」」」 そう言い終えると輝夜は凄い勢いで食べ始める。よほどお腹が空いていたのだろう。 永琳はそんな姫とは対照的にまったく箸の進まないジョルノを見ていた。 「ジョルノ君。やっぱり日本食には慣れていないの?箸も上手く使えないみたいだし。」 「申し訳ありません。慣れるまで少々不恰好な食べ方になるかもしれませんね。」 仕方ない。イタリア住みだったからか、箸もうまく使えるはずもない。 でも、幻想郷で生活する上では、避けて通れない道である。覚えなきゃいけないのだ。 「ジョルノ君にはオニギリにしてあげたほうがいいわね。」 「オニギリ?」 「ちょっと待ってね。茶碗持って行くわ。」 「?ハイ…」 永琳はジョルノの茶碗を台所に持って行くと、ご飯を手で海苔で丸め込み 色々味付けしてそのままジョルノの前に持ってきた。 「ハイ出来上がり。それは箸じゃなくて手で持って食べていいのよ。」 「それでは、頂きます。」 食べてみると以外に、美味しい。白米は食べ慣れてはいないものの、モチモチとした食感も悪くない。 単純な料理なのだろうけど、それでもこれは美味しい。海苔とゴマの風味が口の中に広がる。 オニギリの中には鮭も入っており、程よいしょっぱさもすべてが相成って美味しくできている。 ジョルノはあっという間に一個平らげてしまった。 他の山菜もおいしかった。味噌だけは口に合わなかったが。 「どう?お口にはあったかしら。」 「はい。とてもおいしかったです。ミソ汁は苦手かもしれませんが。」 「ふふ。その内ジョルノ君も美味しいと思えるようになるわ。」 「えーりんおかわり~」 「ハイハイちょっと待ってくださいね姫。」 誰かと一緒に食事をしたせいだろうか、仲間の事を思い出すと、段々と心配になってきた。 「ご馳走様でした。」 「お粗末様でした。」 「輝夜さんは何もしなくていいですよ。僕が洗いますから。」 「悪いわね。好意に甘えさせてもらうわ。それじゃ」 食事が終わると輝夜は速攻でいなくなって、今ジョルノは永琳と一緒に皿洗いをしている。 「本当に悪いわね。こんな事までさせちゃって。」 「いえ、お世話になっている身ですから。」 割と寡黙にジョルノは皿洗いを手伝っている。いつから自分はこんなに律儀になったのだろうか。 永琳は唐突に、皿洗いをしつつジョルノに話しかける。 「ジョルノ君。これからの君の事なんだけど。ここはそんなに狭くないし、もし宛てが見つからなければ ここに帰れるまでの間住んでも構わないわよ。男手が必要な時も結構あるのよ。」 「ですが、迷惑じゃないでしょうか。」 「迷惑なんかじゃないわ。それにあなたのその、スタンドって力にも興味あるのよ。」 「……考えておきます。もし見つからなかった場合はお世話になるかもしれません。」 「そう。期待しておくわ。それとこれをてゐとうどん…鈴仙に持っていって欲しいの。」 先ほどの食事を取っておいたのだろう。二人分の夕食である。 「ふ~。それじゃ私はお風呂をたいてくるから終わったらこっちも手伝ってね。」 「分かりました。すぐに終わらせてきますね。」 永琳はジョルノに声をかけると、とてとてと風呂場の支度へと向かっていった。 お母さんと言う言葉がとても似合う女性だな。でも言ったら怒られそうな気がする。 そしてウサギ達がいる部屋の前に来たのだが…… さっきの、のほほんとした食事の雰囲気は幻だったのだろうか。 そうジョルノに思わせるほどこの部屋が放つ何ともいえない。そう何かがジョルノの感覚を研ぎ澄ませていた。 部屋の入り口の左側には座薬部屋と書いており、薬の保存庫なのだろうけど、部屋が放つ異例の雰囲気は ジョルノが部屋に入るのを躊躇わせるには十分だ。 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ !! しかしここの二匹の兎はいるのだ。入るしかない! 「ゴールド・エクスペリエンス!」 己の半身たる能力を出現させつつジョルノは部屋への突入を開始して、 ガチャ 「らめえ!!れひゃうっ れひゃうよぉおお゙ゥ!出ひゃうのぉおおぉ!我慢れきにゃいぃのぉおお。 見にゃいぃれぇ鈴仙!見にゃいぃれぇ!」 「うふふ…てゐったらかわいい…我慢しなくていいのよ。」 バタン これ以上はアウトだ。そう、僕は何も見なかった。それでいい。。 扉を閉めて、見なかった事にした。うん、食事は入り口に置いておこう。さてと風呂場に行こうかな。 何が出そうだったって?たぶんケフィアでしょう。 TO BE CONTINUED… 前へ 目次へ 次へ